こんにちは。ショイスです。
今回は「営業マネジメントに必要な4つの管理とは?」というタイトルで記事を書きたいと思います。
・営業マネージャーがやるべきことってなんだろう?
・部下や代理店のマネジメントが上手くいってなくて悩んでる
・マネージャーじゃないけど、後輩の面倒を見ることになった
・部下から優秀なマネージャーと思われたい
こんな悩みを解決できる、4つの管理をお伝えします。
この記事を読むと、
この記事を書いている自分は、一部上場企業で2年間のメンバーマネジメントを経験し、12名のメンバーを統括していました。
また、代理店管理の経験も3年間行なっており、合計30社程の代理店マネジメントも経験しました。
そんな計5年間のマネジメント経験をしていた際に意識していた「4つの管理」について、自身の経験を元に本記事を書きました。
私自身は、この4つの管理を意識するようになってから、営業目標達成率を6ヶ月間かけて300%上げることができ、当時の営業目標を大幅達成することができました。
私自身この4つの管理を意識するようになってから非常にマネジメントのパフォーマンスが上がりましたので、実践して本当に良かったと思っています。
(外資系企業だったのですが、成果を残して約100万円のインセンティブ支給がありました。当時はお金がなかったのですごく嬉しかった😂)
※ちなみにここでご紹介する4つの管理は、部下を持っているマネージャーの方にも、代理店管理を担当している営業マンの方にも使えますよ。
それではいってみましょう。
営業マネジメントに必要な4つの管理
結論ですが、今回の4つの管理のポイントは下記になります。
- 目標管理
- 行動管理
- 案件管理
- モチベーション管理
上記4つの管理を意識して、それぞれの部下やメンバー毎にマネジメントができると、非常に効果的なマネジメントができるようになり、最終的な目標であるチーム全体の営業数字目標も達成しやすくなります。
マネジメントの発明者と言われているドラッカー氏は、マネジメントの役割において、「組織に関わる人が生産的に働くことによって、仕事を通じ自己実現できるようにすること」と説いています。
自己実現の仕方が人それぞれ違うように、マネジメントの仕方も抱えている部下やメンバー毎によって変えることが必要です。
効率的かつメンバーそれぞれにあったマネジメントの仕方も、本記事でご紹介する4つの管理を実践すればできるようになりますよ。
それでは、それぞれ深堀りしてみていきましょう。
目標管理
目標管理なんて、営業だったら当たり前にやるでしょ!って思うかもしれませんが、意外とできていないケースが多いです。(自分も最初にこの手法を知ったとき、あ…できてないかも…ってなったのを覚えています)
分かりやすい例としては、
みたいなイメージで、目標設定だけしているケースですね。
これだと目標「設定」はできているのですが、「管理」という意味ではできていないので、メンバーがそれぞれ目標数字達成に向かって動けないことが多くなってしまいます。
ここでは「目標を設定する」のではなく「目標を管理する」ことが重要なため、以下のポイントを意識する必要があります。
2、目標達成のシナリオが作成できているか - (How)どうやって達成するのか
3、営業マン個人毎の目標数値に合意とコミットが取れているか - (Agree)その目標に向かって動けるか
この部分についてしっかりとメンバーとの握りができていると、メンバーは迷わずに目標達成に向けて動けるようになります。
また目標に関しては、極力「月次の目標」「週次の目標」「日次の目標」で、細かく定量目標を設定してあげることが理想です。
そうすることによって、目標達成に向けて、逆算して今やるべきことが明確になるからです。※詳細は次の「行動管理」で解説します
また、もう一つ意識したいことは、優秀なメンバーと優秀ではないメンバーの能力差が激しい場合があるという点です。
よくありがちなのが、営業目標を毎月達成しているメンバーの目標数字が年々高くなり、成績をあげているメンバーの達成率が平均的なメンバーより低下してしまうという逆転現象が起きてしまうということです。
それにより、優秀なメンバーの士気を下げてしまう可能性があるので、公平性を保ちながらも、優秀なメンバーには適切なコミュニケーションを取ったり、評価基準やインセンティブをコントロールするなり、メンバー毎に異なる目標設定をすることも重要になってきます。
※例を挙げると、営業優秀なベテランエース営業マンと、新卒1年目の営業マンに同じ目標数字を設定するべきなのかといったイメージです。しないですよね。
よって、この目標管理で重要になるのは、上記で解説した1〜3の、「(Why)なぜその目標なのか」「(How)どうやって達成するのか」「(Agree)その目標に向かって動けるか」をしっかりメンバーと認識と目線を合わせることが重要になってきます。
行動管理
目標管理の次に必要なのは、「その目標に向かってしっかり行動できているのか」を確認する行動管理です。こちらも定量で測っていきます。
具体的には、「新規顧客に対して、何件のテレアポをしたのか?」「その結果、何件のアポイントを獲得したのか?」「新規で何件商談したのか?」などの指標を追うことが重要です。
これは、「目標達成に向けたプロセスの数値化」といえますね。
昔のドラマとかでよくありましたが、「なんで数字取れないんだ!」とか「いいからお客様のところに訪問してこい!」とか、怖い顔で部下に指示を出している上司がいましたよね。
でもあれって、営業マン自身が課題や自身の弱みをそもそも認識できておらず、なんで数字が取れないのかが自分でも分かっていないケースが多いです。
なので、しっかりと「なぜ目標数字が達成できないのか」を具体的に数字で示してあげることが重要です。
例を挙げて見てみましょう。
上記の図は、目標達成に向けたプロセスとなる、メンバーの行動を数値で表したものです。
※ここでは売上目標と利益目標は割愛しています
例のように、目標値となるKPIは、大きく「アポイント件数」と「商談数」に分けるのが理想です。
また数値に関しては、どのくらいアクションしたのかという件数をしっかりと日時で追っていくことが重要です。
「目標」「実績」「達成率」という指標で数値が見える化し、日々モニタリングできるような環境を作ることができると管理がしやすくなります。
またここで得た数値はセールスフォースなどのSFA(営業支援システム)に必ず記録しておきましょう。
※スプレッドシートやエクセルでもいいですが、今や営業もデータ社会なのでSFAが理想です。
尚、あくまでこの行動管理は、目標達成に向けたKPIとなるので、必要以上に成果を問い詰めないことも大事です。
行動管理となるKPIを達成せずとも、効率良く目標達成をするメンバーも実際にはでてきますし、逆にKPIは達成しているけど、最終的な目標達成ができないメンバーもでてきます。
この数値は、あくまで「基準でしかない」ということは必ず念頭に置いておきましょう。
またこのような数値が見える化できると、下記図のようにメンバー毎の課題と改善すべきことが見えてきます。
数値で各メンバーの行動を分析することによって、どう改善すべきかという対策が練れるようになります。
よって、行動管理で大切なことは、「目標達成に向けたプロセスの数値化」 → 「メンバーの課題克服に向けた育成トレーニング」という順でマネジメントを行っていくこととなります。
案件管理
行動管理の次は、実際にメンバーが抱えている案件管理をすることが重要です。
ここでいう案件管理とは、「契約を締結するまでの顧客の進捗状況や、顧客を次のステップへ進めるための対策やアクションを指示すること」を指します。
こちらは、定量ではなく定性で管理していけばOkです。
実際に受注に向けて「案件化している企業」へ、具体的に次にどうアクションするかについて、方向性を示してあげることが重要です。
なぜかというと、新規顧客にアクションした場合(特に商談後)、顧客の業種やニーズ、課題等、会社によって状況や提案方法は異なるからです。
商談に入った新規顧客の受注角度はどのくらいなのかといった顧客毎のフェーズや、受注までのスケジュール感などをメンバー自身が整理できるようにすることが大切です。
よって、メンバーは商談の機会を得た場合、顧客に提案した内容や予算感、課題、コンディション、顧客の反応、競合の動きなど、商談時に得た情報を確認し、記録しておくことが大切です。
これができていないメンバーがいた場合、必ず下記のようなチェックポイントを作って記録できるようにしていきましょう。
顧客のフェーズを記録したり、しっかりとしたヒアリングを行うためには、商談時にメンバーが以下の図のようなチェックポイントを意識して実践していることが重要です。
上記図は、大きく初回訪問時にヒアリングする項目と、本格検討時に確認する項目に分けています。
サービスや業種にもよりますが、商談をしても1度にクロージングできないことがほとんどだと思いますので、見込先の企業へ再提案できる可能性がある場合は、上記のチェックポイントの内容を元に、顧客毎のボトルネックを明確化させ、ネクストステップの指示を行ったり、時には営業同行をしたりして商談角度の向上を図ったりすることが重要です。
他にも、注力案件へのパワー配分(優先順位づけ)や、メンバー自身で案件をどう管理するかについても、的確にアドバイスすることが重要です。
モチベーション管理
最後はモチベーション管理です。
目標設定ができて、具体的な行動も管理できて、顧客毎の案件も管理できていたとしても、メンバーのモチベーションが下がってしまうというケースもあり得ます。
そうなるとチームの士気が下がったり、例え営業成績が良くても、一時的な結果で終わってしまう可能性もあります。
継続的にモチベーションを上げていくためには、しっかりとメンバーとコミュニケーションを取って適切なフィードバックを行うことが大切です。
「定期的に飲みに連れて行けばいいんでしょ?」と思った方もいるかもしれませんが、しっかりメンバーと時間を取って、「1on1」で話す時間を作るということが重要です。
1on1ミーティングに関しては、2012年からヤフー社が実践している取り組みで、近年では多くの会社でも実践されているマネジメント手法ですが、非常に有効的です。
(もちろんリフレッシュとしては飲みに行くことなども大切です)
1on1でのミーティングを行う際には、具体的には以下の手順で進めていくことが理想的です。
頻度に関しては、できれば週に1回30分〜1時間が理想ですが、時間がない方は10分でも結構です。
日常の業務の中で発生したメンバーからの質問に回答すると、どうしても場当たり的な指示になってしまうこともありますが、1on1で時間を取ってしっかり話すことにより、メンバーそれぞれの課題にしっかり向き合う時間が確保できるため、そこで適切なフィードバックを行うことができます。
どうしても、モチベーションというものは日々の感情や外的要因等でアップダウンしやすいものでもあるため、メンバーそれぞれが抱えている今の課題や悩みに対して、的確なアドバイスをするとともに、定期的に問題解決に向けて協力したりすることが大切です。
目標が達成できたメンバーに対しては、まずはしっかりと褒めてフィードバックを行い、自身が行った実績の達成感を醸成させてあげることが必要です。
また目標を達成できていないメンバーに対しても、その行動に関する過程を褒めてあげることを意識できると効果的です。
逆に目標達成に関わらず、業務改善が必要な部分がある場合は、適切な指導や業務改善策をフィードバックを行うことで、メンバーのやる気や向上心、成長意欲を向上させてモチベーションを高めていきましょう。
またフィードバックをする上で一つだけ注意したいのは、自身の成功事例や持論、経験談を話したりすることで、かえってモチベーションが低下する恐れがあるという点です。
成功経験を話しても「あなただからできるんでしょ…」とか「自分には無理だよ…」って心情になるメンバーも多くいます。
誰でも理解できるような根拠や数値を用いて、論理的にかつメンバーが納得できるようにフィードバックをすることが重要です。
ガールズグループで有名なNiziU(ニジュー)を統括するJ.Y.Park氏のフィードバック方法がとても勉強になると、ビジネスマン界隈で騒がれています。
自分もYoutube(無料)で見ましたが、フィードバック時の一つひとつの言葉のチョイスが絶妙で、人材育成やマネジメントを担っているビジネスパーソンにとっても参考になる点が多いと感じました。
参考記事:https://bunshun.jp/articles/-/40201
まとめ
本記事のまとめです。
・目標管理:(Why)なぜその目標なのか、(How)どうやって達成するのか、(Agree)その目標に向かって動けるかをしっかりメンバーと握ることが重要
・行動管理:「目標達成に向けたプロセスの数値化が重要 → 数値で各メンバーの行動を分析する」ことによって、メンバーの課題克服に向けた育成トレーニングができるようになる
・案件管理:受注に向けて、顧客毎に異なるアクションを指示し、初回訪問時と本格検討時に活用できるチェックポイントを使う
・モチベーション管理:1on1 MTGを実施し、メンバー個人と向き合う時間を作り、目標達成に向けた一つの手段として、メンバーのやる気や主体性、成長意欲を引き出す
最後に、本記事でご紹介した4つの管理について、自分が当時メンバー毎に用意して使っていたマネジメントシートのテンプレを添付します。
本日は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。